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「ヒトラーの思想が2週間前に降りてきた」
神奈川県相模原市緑区の障害者施設・津久井やまゆり園で入居者19人が刺殺された事件。元職員の植松聖容疑者(26)が、緊急措置入院中に話したドイツ総統、アドルフ・ヒトラー(1889~1945年)の「思想」とは、知的・精神障害者や身体障害者らを「生きるに値しない命」と断じて社会より抹殺・断種した、間違った優生学思想に根ざす《T4作戦》にソックリだと考えた専門家は少なくないはず。小欄も真っ先に思い浮かべた。
同時に、取り調べに「昔の同級生が障害者で幸せに思えなかった。不幸だから面倒をみようと思い、施設で働いた」とも語っており、ナチス・ドイツが進めた自然保護政策ともダブってみえた。
意外にもナチスは、森林などの環境保護に先進的で、国内外で高く評価された。例えば、民族の「健全」な精神的性格形成は、森林など環境が決定すると考え、若木伐採などを禁じる法整備に努めた。
ところが、これにはウラの醜悪な顔があった。木を価値で分け、高い木を品種改良で作り、低い木を除去した。善意・善行が次第に変態を始め、常軌を逸した潔癖性や悪魔のモラルをあらわにしていくナチスの自然保護法体系と植松容疑者の言動は、吐き気をもよおすほど似ているのだ。
事件の残虐性・異常性を伝えるべく、今次小欄は人権を侵害する植松容疑者やナチスが発したおぞましい表現も紹介していることを冒頭、お断りしておきたい。