衝撃事件の核心

2歳児を保育園に預け忘れ、車内に8時間放置して死なす 「仕事のことを考えていた」と言うけれど…

栃木県警真岡署の司法解剖でも死因は不明。熱中症の可能性が高いとしている。捜査関係者によると、死亡推定時刻は正午ごろ。車内に放置されてから3時間後とみられる。

急激な容体変化に注意

宇都宮記念病院(宇都宮市大通り)の崎尾(さきお)秀彰院長は「車の中は締め切っていて湿度が高く、温室のような状態」と話す。熱中症の初期症状には、悪心(おしん)嘔吐(おうと)や発汗があるが、未就学児の場合、自分で体調不良を訴えられないため、熱中症になりやすい。「子供は体温調節機能が未熟で、環境に影響されやすい。さっきまで元気でも、気が付くとぐったりしているなど変化が急に起きることがある」と警鐘を鳴らす。

JAF栃木支部・事業課交通環境係の久郷(くごう)哲哉係長は「ちょっとの買い物だから5分、10分くらい、と思っても、大人と子供では耐性が違う」と話す。JAFの実験によると、気温35度の炎天下で駐車すると、冷房の利いた車内(20度)でも、エンジン停止後、たった15分で車内の気温は31度になるという。外の温度もすぐに超え、「今回のケースでは50度を超えていたのではないか」と推測する。

昨年8月の1カ月間、子供が車内に閉じ込められ、JAFが出動したケースは全国で236件もあった。子供を車内に残すと、自分でロックして開けられなくなったり、エンジンをかけたままだと、遊んでいて発進してしまったりする危険性もある。久郷さんは「まず、子供を車に残さないことが大事。もしも重大な事態になったら、とにかく通報を」と注意を呼びかける。

男児の状況を「発汗、脱水に続いて、だんだんと血圧が下がって心肺停止したのではないか」と推測する崎尾院長。

捜査関係者によると、同署の霊安室でわが子の遺体と対面した父親の悲痛な声は、署内に響き渡るほどだったという。

県警は、重過失致死容疑での父親の立件を検討している。