衝撃事件の核心

2歳児を保育園に預け忘れ、車内に8時間放置して死なす 「仕事のことを考えていた」と言うけれど…

後部座席のチャイルドシートで男児が死亡した軽乗用車=栃木県真岡市の真岡署
後部座席のチャイルドシートで男児が死亡した軽乗用車=栃木県真岡市の真岡署

7月29日、栃木県芳賀町で、保育園男児(2)が父親が運転してきた自動車内で約8時間放置され、死亡した。その日、宇都宮市の最高気温は31・4度の真夏日。県警捜査関係者も「車内は50度を超えていたはず」と胸を痛める。炎天下で締め切った車内はすぐに高温になるといい、重大な危険がひそんでいる。

50度以上?酷暑の車内

29日朝、いつものように次男を保育園に送り届けるため運転席後ろのチャイルドシートに乗せ、30代の会社員男性は宇都宮市内の自宅を出発した。ところが、「仕事のことを考えていた」という男性は保育園に寄ることなく、芳賀町芳賀台の勤務先へと向かった。

東京に本社を持つ有名企業で社員も多く、数百台が止められる広大な駐車場。男性は次男を車内に残したまま、仕事場へ。誰にも気付かれないまま時間が過ぎる。

男性は午前9時ごろから勤務していたが、約8時間後の午後5時ごろ、妻からの電話で次男を車内に置き忘れていたことを思い出した。車内を確認したところ、チャイルドシートで既に次男は息絶えていた。半袖半ズボン姿だった次男の腕や足には破裂した水疱の痕が残っていた。捜査関係者もその姿に「かわいそうだった」と話す。酷暑の車内で身動きができず、日光に長時間当たり、やけどした痕だった。

会員限定記事会員サービス詳細