原発の運転期間は原則40年だが、特別な安全対策を講じて認可が得られれば、最長60年までの運転が可能になる。6月の関電高浜原発1、2号機(福井県)に続き、美浜3号機でも運転延長案がほぼ了承された。原発の活用にとって大きな前進といえる。
政府は原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、2030年度に原発比率20~22%とする電源構成を閣議決定している。安定的な電源確保のため、世耕氏はこの目標を達成する責務がある。
とくに今後は、1980年以降に建設された原発が相次いで稼働から40年を迎える。これらの着実な運転延長に向け、規制委との連携を主導すべきである。
四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)が12日に運転を再開予定だが、これを合わせても全国で稼働するのは3基にとどまる。温室効果ガス排出抑制を図るためにも過度な火力依存を脱し、原発や再生可能エネルギーを組み合わせた最適な活用を考えてほしい。