五輪柔道男子

東京でこそ金を!高藤が1日百通の猛烈アプローチの妻「これからも支える」

【五輪柔道男子】東京でこそ金を!高藤が1日百通の猛烈アプローチの妻「これからも支える」
【五輪柔道男子】東京でこそ金を!高藤が1日百通の猛烈アプローチの妻「これからも支える」
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 【リオデジャネイロ=細田裕也】リオデジャネイロ五輪柔道男子60キロ級で銅メダルに輝いた高藤直寿(23)。敗者復活戦から執念を見せ、最低限の結果を残した。厳しい勝負を見守った妻は「これからも彼を支える」と決意を新たにし、遠い日本で待つ1歳9カ月の長男は、高藤に戦う勇気を与えていた。

 高藤は表彰台に向かう途中、スタンドを指さしながら、とびっきりの笑顔を浮かべた。その先にいたのは妻の志津香さん(27)。大粒の涙が頬を伝うと、ハンカチで目元を押さえた。

 高藤が東海大学在学中に結婚した志津香さんは元柔道選手。高藤の第一印象は「年下の変わった男」だったが、LINEでメッセージを1日に百通近くもらうなどの猛烈なアプローチを受け、2人は結ばれた。間もなくして長男の登喜寿(ときひさ)ちゃん(1)も授かった。

 金メダル候補と目されて挑んだリオ五輪。準々決勝で隙を突かれて一本負けすると、スタンドの志津香さんは号泣した。絶対に負けられない敗者復活戦では、元選手の血が騒ぎ、試合前の高藤のそばに駆け寄っては、「いいからいけよ!」とげきを飛ばした。

 試合が終わると、結婚から2年間が走馬燈のようによぎった。成績が伸び悩み、私生活が乱れた時期もあった。それでも志津香さんは高藤を支え、時には厳しく奮起を促した。治安面を考慮し、登喜寿ちゃんは現地入りを見送った。それもまた、「息子にメダルを見せる」との原動力に変わった。そしてこの日の朝、一通のLINEが届いていたことを思い出し、志津香さんは再び涙を流した。《僕を支えてくれてありがとう》とのメッセージだった。

 夫が手にしたのは銅メダル。しかし志津香さんは「まだ金は早い、と言われているような気がした」と前向きにとらえ、「東京五輪ではリベンジしてほしい」とエールを送る。「私はこれからも彼を支えたい」。力強い妻の存在が、高藤の挑戦を支え続ける。