主張

拉致と再改造内閣 最優先で被害者救出迫れ

 兼務について、家族会代表の飯塚繁雄さんは「ほかの仕事が加わっても拉致問題をしっかりやってくれればいい」と述べるとともに、「首相直轄で強力なメンバーを入れて組織づくりをしてほしい」と訴えた。当然の願いだ。

 政府は、拉致担当相の兼務による多忙が言い訳にならないような態勢を取るべきだ。加藤氏をバックアップするスタッフなども重要だろう。外務省との連携はどうなっているのか。

 横田めぐみさんの母、早紀江さんは先月の集会で、「人生の半分が苦しみと悲しみの中で、日本という国はどうなっているのだろうと思う」と述べた。事件から40年近くがたった。13歳で拉致されためぐみさんは51歳になる。早紀江さんは80歳だ。

 拉致は北朝鮮による主権侵害の残酷な国家テロだ。被害者の全員帰国なしに北朝鮮に未来はないことを、はっきりと示すべきだ。同時に日本にとっても、拉致問題の解決なしに堂々と未来を語ることは許されない。政府はそう認識すべきである。

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