神奈川県警は3日、「津久井やまゆり園」での殺傷事件の犠牲者の氏名や住所を非公表とした理由について、「知的障害者の支援施設であり、ご遺族のプライバシー保護の必要性が極めて高いと判断した。遺族からも報道対応に特段の配慮をしてほしいとの強い要望があった」とのコメントを発表した。
県警担当者によると、事件が発生した7月26日に園内に集まった犠牲者19人のうち18人の遺族に確認したところ、いずれも実名での公表を希望しなかったという。残る1人の遺族についてもその後、弁護士を通じて実名公表を希望しないとの意向を確認した。
また、県は3日、犠牲者19人が入居前に住んでいた自治体の内訳を発表。横浜市と相模原市が6人、いずれも神奈川県の大和市、座間市、綾瀬市、秦野市、愛川町が1人、県外が2人だった。
県は匿名発表について、「県警と歩調を合わせたい」とし、施設を運営する社会福祉法人「かながわ共同会」に確認したところ、「19人全員の遺族が氏名公表に反対している」との回答があったという。
■神奈川県警のコメント(全文)
今回お亡くなりになった方々が入所していた施設は知的障害者の支援施設であり、ご遺族のプライバシー保護等の必要性が極めて高いと判断しました。また、ご遺族からも警察が報道対応するにあたっては、その点については特段の配慮をしてほしいとの強い要望がありました。今回の対応はこうした事情を踏まえたものです。