【ワシントン=加納宏幸】米共和党の大統領候補で不動産王、トランプ氏がイスラム教徒の米戦没者遺族を侮辱した問題で、オバマ米大統領は1日、「最高司令官として、米軍や兵士をからかうような発言をする人々にかなりうんざりしている」と述べ、トランプ氏を批判した。南部ジョージア州で開かれた退役軍人の集会で語った。
オバマ氏は「戦没者の家族ほど自由や安全のために犠牲を払っている人々はいない」とたたえた。イラクで戦死したイスラム教徒の米軍人の父、キズル・カーン氏は、28日の民主党全国大会でトランプ氏について、「犠牲を払っていない」と批判。これに対し、トランプ氏が「私も多くの犠牲を払った。一生懸命に働き、多くの雇用を創出した」などと反論していた。
戦没者遺族を侮辱したトランプ氏への批判は広がりをみせており、共和党重鎮のマケイン上院軍事委員長は1日、声明で「党がトランプ氏を候補に指名したとはいえ、自由に(遺族を)中傷することが許されるわけではない」と非難した。