ビジネスの裏側

リオ五輪選手が乗馬指導…知る人ぞ知る代表常連企業「乗馬クラブクレイン」に潜入

 一時帰国した北島選手は「体調管理をし、ケガがないようにして、スタートラインにもっていきたい」と話す。

数百万円の専用馬使用

 日本国内における馬術競技の知名度は決して高くない。テレビで五輪の馬術競技の様子が中継されることは少なく、国内で開催される大会も少ないという。こうした状況は戦う選手にとっては大きなハンデだ。日本勢は五輪の馬術競技で戦後にメダルを獲得したことがなく、8位以上の入賞も過去に2回のみという。

 そんな中で、同社は代表選手を初めて輩出したロサンゼルス五輪(1984年)以降、五輪出場選手の育成に力を入れており、これまでのべ計14人が出場。リオ五輪には北島選手ら2人が出場する。

 同社では、社内試験の成績に応じて選手としての支援内容を3段階に分けており、現在は計約140人が対象という。1頭が数百万円する国産・海外産の馬を割り当てられたり、海外に拠点を移すことなどが認められている。

通常業務の合間に練習

 しかし、資本金5千万円の中小企業が単独で五輪出場選手を抱えるのは予算面で並大抵のことではない。

 このため同社は競技会がない時などには、北島選手らトップ選手にも乗馬クラブのインストラクター業務にあたらせるなどして、本業への還元に生かす工夫も行っている。

 岩谷一裕取締役は「一流の選手が教えるということで会員がステータスを感じてくれる。優秀な選手も集まってきやすく、その切磋琢磨(せっさたくま)の中で五輪に出場する選手が出てくる」と話す。同社は、成熟した乗馬市場の中でじわじわと会員数を伸ばしており、28年6月現在で約3万6千人にのぼる。

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