東京都知事選

「完敗だった」と釈明した石原伸晃・自民党都連会長に都連幹部は「執行部は総退陣だ」

 極めつきは党都連所属議員が非推薦候補を応援すれば処分するとの都連会長名の文書。党内でも「おごっていると受け取られかねない」と反発を招き、都連幹部は「敵に塩を送り逆効果だった」と漏らす。

 この結果、出口調査では自民支持層の過半数を小池氏に奪われた。しかし、党内では「公明党の動きが鈍い」と責任転嫁とも取れる発言も出た。これに公明党幹部は「自民党よりも組織を固めた」と反発する。

 一方、首相は距離を置き続けた。前回と異なり、今回の都知事選は一度も応援に入らなかった。終盤情勢を聞いた首相は周囲に「小池氏でも構わない」と語った。野党4党推薦の鳥越俊太郎氏が当選しなければいいというのが本音だった。

 小池氏への処分について首相周辺は「党本部で決めることだ」と述べるにとどめた。首相は小池氏とは近しい関係ではないが、2020年東京五輪に向けて都との連携が不可欠なだけに、距離を縮める動きに出ることが予想される。(岡田浩明、小島優)

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