今回の実施の背景について、運営会社ユー・エス・ジェイの森岡毅執行役員は「入場者減で厳しかった23年とは真逆の理由だ」と説明する。
USJは昨年度、来場者が過去最高の1390万人を記録。無料を掲げて集客をする必要はないだろう。子供の入場料を無料にすることで、普段来ない大人が来場すれば売り上げ増につながることが期待されるかもしれない。だがこの点についても「経済効果があるのは、ベース(入場者数)が低いときのみ」といい、今回の無料キャンペーン実施は「正直、持ち出しの方が多い」と打ち明ける。つまり、最初から「赤字」を覚悟しているわけだ。
値上げを続け「高い」という声も
USJは、近年の好調な入場者数を背景に、昨年まで7年連続で入場料の値上げを続けている。人気映画「ハリー・ポッター」のエリアなどアトラクションへの投資を加速することはもちろんだが、「パークのブランド価値を上げること」と説明。実際、値上げをしながらもさまざまな世代に支持されるアトラクションやイベントを提供し続けることで、入場者数は更新し続けている。
ただ、やはり家族4人で通常価格の約2万5千円の出費となれば、若い子育て世帯にとって家計への負担は決して小さくない。6歳の息子と訪れた大阪府東大阪市の女性は「子供が小さいと、長時間は遊べないので高いと感じる」と話し、小学生の息子、娘と来た兵庫県尼崎市の男性は「次々イベントを行っていて楽しそうだが、出費を考えると年間1回くらいとか来られない」と本音を語った。