ブラジル情勢

ルセフ大統領、弾劾裁判の敗色濃厚に 罷免「もう避けられない」 労働党指導部との溝深まる 

 【リオデジャネイロ=佐々木正明】国家会計の粉飾が疑われ、職務停止となったブラジルのルセフ大統領が弾劾裁判で罷免されるとの観測が強まっている。地元紙グロボが7月31日、報じた。同紙によると、ルセフ氏が所属する労働党(PT)幹部も「敗色濃厚」を認め始めており、ルセフ氏が失職する可能性が日増しに高まっている。

 グロボによれば、PT幹部が、ルセフ氏の大統領罷免は「もう避けられない」と認めた。さらに、ルセフ氏の政治的な恩師のルラ前大統領も、ルセフ氏が周囲と調和を取ることができず、政権への逆風をさらに強めたとして公然と非難をし始めたという。

 8月2日から上院で弾劾手続きの最終審議が始まり、リオデジャネイロ五輪期間中も審議は継続。16日ごろとみられた結審は最長で9月上旬にずれ込む見通しだ。上院(81議席)の3分の2にあたる54議員が弾劾に賛成すれば、ルセフ氏は失職する。

 一方、ルセフ氏は外国メディアの取材で、弾劾問題は自らに非があるのではなく、「PT指導部の責任だ」と主張。これに対し、PT指導部は2018年の次回大統領選挙に向けて、貧困層やリベラル層に根強い人気のあるルラ氏を大統領候補に立てて捲土重来を図りたい考えで、ルセフ氏との溝が深まっている。

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