防衛最前線(80)

陸自初の対戦車ヘリ「AH1S・コブラ」 キャリア30年以上でも引退できないワケとは

 陸自は昭和56年からAH1Sの本格配備を開始。7機目からは富士重工業によるライセンス生産が始まり、12年までに90機が生産された。その後、老朽化に伴い導入初期の機体が退役し、現在は60機程度となっている。

 陸自はAH1Sの後継として、17年度から「アパッチ・ロングボウ」の愛称で知られる対戦ヘリ「AH64D」の取得を開始した。メインローター上のロングボウ・レーダーにより、100以上の地上目標の探知が可能で、優先順位をつけて攻撃することができる。デジタル通信式のデータリンクシステムを搭載し、他の部隊と戦術情報を共有することもできるようになるなど、AH1Sから飛躍的な能力向上が図られた。米軍やイギリス軍をはじめ、多くの国の軍隊が採用し、アフガニスタンやイラクでも実績を残した。その高い戦闘力から最強ヘリとの呼び声も高い。

 陸自は当初、このAH64Dを60機以上導入する予定だった。しかし、調達価格が高騰し、実際には10機の取得で打ち止めとなった。具体的な次期対戦ヘリのメドも立っていないことから、陸自内では「AH1Sにもう少し頑張ってもらわなければ」(幹部)と期待する声もあがる。

(政治部 石鍋圭)

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