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相模原市の障害者施設で起きた刺殺事件は欧米メディアも大きく報じた。欧米では最近、銃乱射事件やテロといった凄惨な事件が相次いでいる中だけに、治安の良さで知られる日本でも大量殺人が発生したことに衝撃が走っている。
米CNN(電子版)は現場で救助に当たる救急隊員の映像などを使い、「第二次大戦以降の日本で最悪の大量殺人」と報道。英BBC放送(同)は東京・秋葉原で平成20年に7人が死亡した無差別殺傷事件などにも触れながら、「日本では過去数十年で最悪の事件」と報じた。
メディアは植松聖容疑者(26)が障害者を殺害するとつづった手紙にも強い関心を示し、独DPA通信は植松容疑者が「障害者の安楽死」を図ったと報じ、AP通信は「憎悪が若者を(犯行に)駆り立てたようだ」と伝えた。
海外での関心の高さの背景にあるのは、欧米などと比べて日本が「世界で最も安全な国の一つだ」(BBC)とみなされているためだ。ロイター通信は「大量殺害は世界でありふれている」が、「日本では極めて珍しい」と指摘。一方、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は国連の統計を引用し、2011年の人口10万人当たりの殺人発生件数は0.3件だが、「米国はその10倍以上の4.7件だ」と紹介した。