浪速風

被害者の人権が第一だ

デジャビュ(既視感)を覚えたのは、神奈川県相模原市の知的障害者施設に侵入して40人以上を殺傷した元職員の植松聖(さとし)容疑者に措置入院の経歴があったからである。15年前に大阪教育大付属池田小学校で起きた児童殺傷事件で死刑になった男も、2年前に別の傷害事件で措置入院になっていた。

▶措置入院は精神保健福祉法に基づき知事・政令市長が決定する。犯行を予告していた植松容疑者を医師の診断をもとに入院させたが、わずか2週間で退院していた。退院が早すぎたのでは、その後のケアは十分だったか…と悔やまれる。池田小事件でもそうだったが、問題は司法と行政、医療のあいまいな谷間に置かれたままだ。

▶英独などでは犯罪予防的な「治療処分」が制度化され、専門病院もある。こうした事件の度に保安処分の導入が議論されるが、「権力による乱用の恐れ」「人権を侵害する」と猛烈な反対の声がわき上がる。被害者の人権はどうなるのかと問いたい。