亀岡典子の恋する伝芸

どこを切っても上方色満載「晴の会」の挑戦-一般家庭出身、ゆかたは着崩れ、正座もできなかった塾生が…

 「新作を作るときは、古典で培ったものが頼りです。日頃の勉強の成果が問われます」「おもしろく、楽しく、親しみやすい。上方らしい、笑いと人情いっぱいの歌舞伎を作りたい」と、5人は目を輝かせる。

「晴の会」は新作、「上方歌舞伎会」は古典、若手にとっては両輪の輪

 実は夏には、もうひとつ、彼らが中心となって行われている歌舞伎公演がある。8月24、25日、大阪・日本橋の国立文楽劇場で開催される「上方歌舞伎会」だ。こちらは、上方歌舞伎塾の卒塾生だけでなく、上方系の門閥外の歌舞伎俳優が、普段の大歌舞伎ではめったに演じることのない主役や大役に挑む勉強会である。

 今年は大坂を舞台にした人気作「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」と、舞踊「五條橋」「団子売」を上演する。「夏祭浪花鑑」は、松十郎が主役の団七九郎兵衛(だんしちくろべえ)、千壽がお辰、千次郎が義平次、りき彌が琴浦、佑次郎が佐賀右衛門などの配役。

 片岡仁左衛門、片岡秀太郎らの指導で、古典にみっちり取り組み、勉強する公演である。

 「晴の会」は新作、「上方歌舞伎会」は古典と、夏の2つの舞台は、上方歌舞伎の若手にとって両輪の輪ともいえる大切な公演といえる。

 上方歌舞伎に青春を燃やす彼らの奮闘に期待したい。