【産経抄】犯行予告がありながら 7月27日(1/2ページ) - 産経ニュース

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産経抄

犯行予告がありながら 7月27日

 山下清といえば、今も「放浪の画家」「裸の大将」として多くの人に親しまれている。もっとも放浪の途中では、ほとんど絵を描かなかった。緻密で色鮮やかな貼り絵や油絵の制作に取り組むのは、千葉県市川市の養護施設「八幡学園」に戻ってからである。

 ▼小学校でひどいいじめに遭った清は、12歳で学園に預けられた。図画の時間に貼り絵と出合う。ゴッホの研究家でもあった学園の顧問医師の指導を受けて、画才を開花させていく。園児たちの貼り絵の展覧会が開かれると、清の作品は大反響を呼んだ。

 ▼相模原市にある障害者のための施設「津久井やまゆり園」には、149人が入所している。清のように、創作活動に励んでいる人もいたかもしれない。そんな山あいの静かな施設が、血まみれの地獄絵図と化してしまった。

 ▼26日未明、刃物を持って侵入した26歳の男によって、惨劇は引き起こされた。入所者は首などを刺され、19歳から70歳まで男女19人が死亡、26人が重軽傷を負った。犯行後に警察に出頭した男は元職員である。