「食用シカ肉」消費拡大 山梨県が来年度、ジビエ認証制度新設

 県は25日、農作物への被害の多発で、捕獲が増えているニホンジカの肉の有効活用を図るため、「県ジビエ(野生鳥獣の食肉)認証協議会」の初会合を開き、来年度にシカ肉の認証制度を新設することを決めた。ジビエブームの中、県内のシカ肉のブランドを定着させ、消費拡大で地域活活性化を進める狙いだ。

 協議会の会長には、ジビエ活用に詳しい伊藤洋・山梨大名誉教授が就任。県猟友会や市町村の食肉処理施設の責任者、観光や飲食業界の代表ら11人が委員を委嘱された。

 県は、シカ肉の認証基準として、衛生面への十分な配慮を盛り込む方針。県内で4市町村が運営する処理施設(北杜市、早川町、富士河口湖町、丹波山村)は、いずれも食品衛生法に基づく食肉処理業の許可を得ており、機器などの衛生管理に大きな問題はないという。

 県も「シカ肉の衛生と品質確保に関する指針」を定め、処理施設に「自主点検表」によるチェックを求めている。今回はこれに新たな点検項目を加えるなどして、9月までに認証基準の素案を示す。

 最終案は来年1月にまとめ、認証機関の創設・運営なども盛り込む。

 25日の会議では、県単独と第三者機関の2種類のジビエ認証制度がある長野県の例などが紹介された。協議会では「数県の事例を調べて検討する」(農政部畜産課)としている。

 県みどり自然課などによると、昨年度に県内で捕獲されたニホンジカは1万3169頭。これに対し、処理施設で食肉加工されたニホンジカは323頭で、捕獲数の2・5%にとどまっている。残りは廃棄処分された。

 今年6月にオープンした北杜市の処理施設の能力を加えると、今年度の全県の食肉加工は、590頭になる見込みだという。

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