書評

皇統の謎に新たな「解」を与える一作 『小説 古事記成立』湯川裕光著

『小説古事記成立』湯川裕光著(K&Kプレス・1800円+税)
『小説古事記成立』湯川裕光著(K&Kプレス・1800円+税)

 古代史のミステリーに迫った小説は数限りないが、崇神天皇や垂仁天皇の時代を足がかりに皇統の謎に新たな「解」を与える一作。第125代の今上陛下まで、例外なく男系で続いてきた天皇家の高貴さをも再認識させてくれる。

 男子の皇位継承者が極めて少なくなる中で、皇統が途絶えることに危機感を抱いたことが執筆のきっかけという。「古事記」にありながら「日本書紀」にない記述を丹念に拾い集め、独自の視点で皇統の謎解きを進める。天皇陛下が生前退位のご意向を示される現代にあって、皇室の在り方をも考えさせる作品だ。(K&Kプレス・1800円+税)

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