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海洋深層水でふっくらご飯 おいしさ長持ち、業務用の需要拡大

海洋深層水を加えた水で炊いた米粒(右)は、水道水で炊いた米粒(左)に比べて、表面を覆う膜の働きで組織が壊れていない
海洋深層水を加えた水で炊いた米粒(右)は、水道水で炊いた米粒(左)に比べて、表面を覆う膜の働きで組織が壊れていない

 ミネラルを豊富に含むことで知られる海洋深層水の業務用需要が拡大している。炊飯に海洋深層水を用いると、ふっくらとお米が炊き上がるといった利点が知れ渡り、スーパーなどで販売する弁当のご飯に使われるケースが増えているためだ。

 海洋深層水の有力メーカー、赤穂化成(兵庫県赤穂市)によると、同社の平成27年度の業務用海洋深層水の売上高は、前年度比約11%増と好調だった。

 要因の一つは、炊飯という新たな用途が開拓されつつあることだ。同社で業務用を担当する第二営業部の坂井聡課長は「炊飯に海洋深層水を用いると、ご飯がおいしく炊き上がり、長持ちするようになる」と説明する。

 ミネラルとは栄養素として必要な無機物(元素)のこと。海洋深層水には主要ミネラルの一つであるマグネシウムが含まれている。このマグネシウムによって炊飯時に米粒の表面を覆う膜が作られ、水分を内部に閉じ込める働きをするため、ふっくらと、もちもちのご飯になるという。

 また、内部からの水分漏出も少なくなり、米粒の表面が溶ける現象も起きにくくなる。これによりご飯のおいしさも長く持続する。こうした優れた特性が評価され、需要拡大につながっている格好だ。

 一連の需要増には加工食品に義務付けられた原料表示の問題も関係している。

 例えば加工段階でミネラルを使用する必要が生じ、人工的に添加すると、「添加物」として明記しなければならない。しかし、ミネラルが豊富な海洋深層水を用いると、これ自体が天然食品原料のため添加物には該当しない。

 食品メーカーは添加物をできるだけ減らそうとしており、こうした安全志向の高まりも需要増の一因になっている。

 同社は業務用海洋深層水に含まれるマグネシウムやカルシウム、カリウム、ナトリウムなどのミネラル濃度を顧客の要望に沿って調整し、納入している。こうした方式を取っているのは同社だけとされる。(武田範夫)

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