夏の高校野球 静岡

常葉橘コールドで16強 浜松学院、昨年準Vに勝利

 第98回全国高校野球選手権静岡大会(県高野連など主催)は21日、大会6日目を迎え、県内7球場で3回戦16試合が行われた。

 富士球場では、第1試合で浜松開誠館と御殿場西が投手戦を繰り広げた。浜松開誠館は三回の飯田のソロ本塁打が決勝点となり、1-0で勝利。第2試合は袋井のエース・稲垣が袋井商打線を1安打に抑え、3-0と完封して16強入りを果たした。

 掛川球場では、20日の再試合を制して勢いに乗る浜松学院が昨夏準優勝の飛龍と対決。浜松学院は一塁手を兼任する左腕・手嶋の好投で、4-0と飛龍打線を沈黙させた。愛鷹球場では、日大三島が知徳の投手陣を打ち崩し、9-0で七回コールド勝ち。清水庵原球場では、東海大静岡翔洋と静岡学園が一進一退の攻防を見せたが、東海大静岡翔洋が七回に中軸の連打で突き放し、7-3で勝利した。

 23日は、愛鷹、清水庵原、草薙、浜松の4球場で4回戦8試合が行われる予定。

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 ◆左の二枚看板さらなる高み目指す 小原光士郎投手 浜松開誠館3年

 1点のリードを守って迎えた九回、相手打線は4番から始まる好打順ながら、変化球主体の打たせて取る投球で三者凡退に仕留めた。しかし、最後の打者に投げた球は高めに浮き、外野まで運ばれた。ベスト16進出を果たしたものの、背番号1は「エースとしてはこれじゃ駄目だ」とさらなる高みを目指す。

 1、2回戦は大量得点でコールド勝ちを収めたが、先発の飯田との左の二枚看板が売りのチームで、もともと投手戦はお手の物。三回に決勝点となるソロ本塁打を放った飯田が左足首をひねり、この日は予期せぬ場面での登板となったが、「いつでもいける準備はできていた」とむしろ気持ちは高ぶった。交代直後に長打を許し得点圏に走者を背負ったが、「点数さえ取られなければ大丈夫」と腹を据えて投げ続けた。

 次戦は昨年の開幕戦で敗れた因縁の相手・日大三島との対決。試合後には飯田に「何やってんだよ」と声をかけ、笑顔で軽口をたたいていたが、日大三島の話題になると表情が一変。「疲れをためず、万全の態勢で臨む。自分が点を取られなければ必ず勝てる」と雪辱を果たすことを誓った。(吉沢智美)

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 ◆甲子園へ「新チーム自分が引っ張る」 比屋根彰人選手 飛龍2年

 六回、無死満塁の絶好機に打順が回ってきた。点差は1点。「まず1点返そう、次の打者につなごうと思った」。2球目、狙っていた直球が来た。気合十分に振り抜いたつもりだったのに、わずかにシュート回転した球を打ち損ねて、ぼてぼての投ゴロに。三塁走者が本塁で封殺される併殺打となってあっという間に2死をとられ、後続も倒れた。最大の好機を逸したチームは、そのままリズムをつかめず敗退した。

 どうしても甲子園に行きたいと、沖縄から一人、親元を離れて海を渡った。1年生だった昨夏、先輩たちは準優勝し、甲子園目前まで迫った。そんな憧れの先輩たちとともに練習を重ね、今春には並み居る3年生を抑えて5番に抜擢(ばってき)された。それなのに「3年生の最後の試合に自分が打てなくて負けてしまった。主将をはじめ先輩方が頼りになるので、ついつい頼ってしまった」と唇をかむ。

 それでも浜野洋監督からは「来年はフル回転してもらう」と信頼を寄せられており、新チームの要となることは間違いない。

 「これからは自分が引っ張ります。任せてください」。泣き崩れる3年生エースの傍らで力強く宣言するその目に、もう涙はなかった。(田中万紀)

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