作家デビュー２０年で受賞　「海の見える理髪店」の荻原浩さん「肩の荷がおりたような」

　ノミネート５度目、還暦の節目に吉報が届いた。家族をテーマにした短編集「海の見える理髪店」（集英社）で直木賞に輝いた荻原浩さん（６０）。カジュアルな普段着で会見の場に現れ、晴れやかな笑顔を見せた。

　－－受賞した今の気持ちは

　「ほっとしてます。肩の荷がおりたような。どんな賞の時もそうなんですけども、心の平安を保つために、落ちるときのシミュレーションしか頭の中でしてなくて、逆のパターンがきたのでどうしようかなと、とまどっています」

　－－候補５回目、還暦、作家デビュー２０年の節目に受賞した感慨は

　「先月末に還暦になりました。それは僕のせいではなくて向こうからやってくるものなので、何も変わるところがない。自分自身では感慨というものはなく、今回いただいたものも年齢も、よそから来たもので、２０年もたまたま。でもせっかくなので、気持ちを新たにがんばってみようかなとも考えています。いろんな新しいことにチャレンジしてもいいかなと思っています」