東京弁護士会所属の弁護士から最高裁判事に就任した木沢克之氏(64)が19日、最高裁で会見し「約40年の弁護士経験から培った市民感覚や経験則を踏まえて、弁護士出身の自覚と誇りをもって正義と公平、社会常識にかなうように努める」と語った。参院選で改憲勢力が3分の2に届いたことについては「改憲は国民的議論で決められるもの。その動きを注視したい」とするにとどめた。
零細企業経営者の父を見て、「経営者や市民が法律知識がないことで苦労している」と感じ、直接手助けできる弁護士を志した。最近、約35年前に請け負った相続問題の依頼者が亡くなり、遺族が相談に訪れた。依頼者の当時のメモを見せてもらい、「私の情報や依頼者の人生観が記載されていた。依頼人の人生を背負い込む重大さを認識した」という。
同じく弁護士出身で3日に定年退官した山浦善樹氏の後任。立教大出身で昭和52年弁護士登録し、司法研修所教官や立教大法科大学院教授を歴任、後進の指導にもあたってきた。