【産経抄】たとえ公務がかなわなくても 7月15日(1/2ページ) - 産経ニュース

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産経抄

たとえ公務がかなわなくても 7月15日

 石井英夫さんが、産経抄を書いていた頃の話である。愛読者だった生前の寛仁(ともひと)親王殿下から、あるコラムについて、「物言い」の電話をいただいた。天皇、皇后両陛下が、阪神大震災の被災者をお見舞いされる姿に感動した、との内容である。

 ▼石井さんは、赤坂御用地にタクシーを飛ばして真意を聞いた。殿下はこうおっしゃる。「いま現地に飛んでいける皇族は7人いる。被災地を7等分して7人を派遣する。両陛下は、皇居でどんと構えておられる方がいい」。

 ▼お見舞いを受けた被災者とそうでない被災者の不公平をできるだけなくしたい、とのお考えだった。もっともその後も、両陛下が「皇居にどんと構えられる」ことなど、あり得なかった。

 ▼東日本大震災をはじめ、自然災害が発生するたびに現地に足を運ばれ、手をとりひざをついて途方にくれた人々を励まされてきた。両陛下はまた、沖縄や広島、長崎、サイパン、パラオと戦没者の「慰霊の旅」を重ねてこられた。今年1月には、先の戦争の激戦地だったフィリピンご訪問を果たされている。