「金の糸」挿入手術でMRI検査受診不可に 大阪府の女性が美容クリニックを提訴 大阪地裁

 一般的に、効果としてうたわれているのは肌の若返り。生体内に異物が入ってきた反応として「コラーゲンを生み出す細胞が活性化される」などと紹介されている。

 ただ、美容外科医らが会員となっている日本美容医療協会(東京都)は平成22年6月、「金の糸の効果に明確なエビデンス(学問的証拠)はない」とする見解を公表。アレルギー反応や皮下から糸が露出するリスクがあり得るとした上で「いったん埋め込まれた糸を完全に抜き取るのは不可能」とも指摘した。

 MRIメーカーなどでつくる「日本画像医療システム工業会」(東京都)は「金糸等」がある患者には原則検査を行わないよう注意喚起している。MRI検査では体に電流が流れ、金属があるとその部分に電流が集中してやけどをする恐れがあるからだ。

 眉などに色素を注入する「アートメーク」や入れ墨をしている人も、顔料に金属が含まれている可能性があるため同工業会ではMRI禁忌とされている。金歯や銀歯は、電流が流れにくい形状のため禁忌とされていない。

 一方、金の糸が埋め込まれていても「緊急性が高い場合はMRI検査を行う」という医師もいる。神戸大医学部付属病院の川光秀昭放射線部技師長は「皮下に金の糸があってもMRIは可能」との立場で、機器の出力を小さくすることでやけどのリスクを減らし、検査を行うことができるという。ただ「基本的には異物は体の中に入れない方がいい」と話した。

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