浪速風

人気投票で後悔したはずなのに…

20年ほど前に東京都知事になった青島幸男さんを、友人の永六輔さんはこう評した。「青ちゃんはこれまで狂言でいえば太郎冠者だった。強い大名をおちょくったり、しっぺ返しをしていればよかった」。狂言回しのはずが、主人公になってしまった。「青島票は政治を面白がるヤジ馬票である」

▶ジャーナリストも本来は太郎冠者ではないか。鳥越俊太郎さんが都知事選出馬を表明した。有権者が1千万人超の東京では、なにより知名度がなければ選挙に勝てない。テレビで顔と名を売った元ニュースキャスターに野党4党が飛びついて、統一候補として支援する。

▶首をかしげるのは出馬理由に「参院選の結果」を挙げたことだ。改憲勢力が3分の2を超えたことに危機感を抱いて、という。が、都政と国政は違う。4年後の東京五輪・パラリンピックや、首都を災害から守るなど喫緊の課題は多い。「ヤジ馬票」ではまた後悔するだろう。外野席は見守るしかないが。