ただ、会見では「東京五輪・パラリンピックへの財政需要も見込まれ、都民の税を守る必要がある」と方針転換。「(人や企業を)閉じられた中で取り合っても日本全体のパイは広がらない。東京、地方の活力と結びつければ、両者が発展することが可能」とも語り、選挙を見据えた現実路線にシフトした格好だ。
外国人参政権へのスタンスでも変化が見られた。県知事時代は「永住者の地方参政権は認めるべきだ」としていたが、「都民の話をきいて、慎重な方向で考えることが必要」と述べた。
その約3時間半後、同じ場所で会見を開いた小池氏は「私はいま、たった一人。この戦いざまを皆様にみていただきたい」と語り、組織力で劣る点を逆手にとってアピールした。
東京一極集中を批判してきた増田氏が立候補することについては「なかなか説明がつきにくい」などと牽制し、「東京は日本のエンジン。地方に貢ぐ都市にしてはいけない」「霞が関の天下りではなく、大臣職を経験した私が実務とビジョンで引っ張っていく」と強調した。
取り組む政策の一つとして掲げた「満員電車ゼロ」については「時差通勤や、2階建て列車など知恵を絞ればいい」と説明し、「残業ゼロ」の実現に向けて、まずは都庁で実践する方針も示した。