速報

速報

共通テスト不正 受験生出頭

浪速風

生き方には貴賤がある

「司馬遼太郎記念学術講演会」で講演する永六輔さん=サンケイホール
「司馬遼太郎記念学術講演会」で講演する永六輔さん=サンケイホール

「●(=歌記号)知らない街を歩いてみたい」と各地を旅した。関西にも足跡は多い。かつて道頓堀にあった古書店「天牛書店」についての一文。「僕は大阪に来て『天牛』に寄ると、やっと大阪にいるという感じがしてくるのである」。かれこれ40年前、永六輔さんは店主の天牛新一郎さんと対談した。

▶「小さいころから本屋になるのが夢でしてね。本屋になったら、本が読めるっていう気がして」という永さんに、天牛さんは「あきまへん。本屋が本読んでたら商売になりまへん」。そして、「一冊や二冊とられたって、店がつぶれるわけやない。けど、つかまえられて、一生が狂ってしまうことがある」と万引を見逃すというのに驚く。

▶そんな市井の人間に共感し、自らも反骨精神を貫いて筋を通した。「職人」(岩波新書)で、出会ったある職人の言葉を紹介している。「職業に貴賤はないと思うけど、生き方には貴賤がありますねえ」。むしろ永さんの本心ではなかったかと思う。