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「盲目のピアニスト」として知られる辻井伸行さん(27)らを輩出した音楽学校「上野学園大」を運営する学校法人「上野学園」(東京都台東区)で、「役員報酬などをめぐり不適切な支出があった」として、教職員や卒業生らが石橋慶晴(よしはる)理事長=当時=の退任を要求し、その後、辞任していたことが11日、関係者への取材で分かった。一部教職員は後任の理事長の退任も求めており、対立が続いている。
学園関係者によると、一部教職員が1月以降、「経営環境の悪化を理由に教職員の給与を減額する一方、理事長らに高額の報酬が支払われている」などとして退任を求める活動を開始。4月25日には教職員と卒業生計275人の連名で退任を要求、石橋前理事長は6月の理事会で理事に退き、妻の香苗氏が後任の理事長に就任した。
学園関係者や信用調査会社によると、上野学園は少子化などに伴って学生数が減少傾向にあり、平成27年3月期には収入の6割を占める学費などの「学生生徒等納付金」が12億7千万円と、前年から4・6%減少。一方、支出の半分以上を占める人件費は12億円を計上した。純利益は22年以降、マイナス3億~6億円で推移している。補助金は4億2千万円受給している。