都市を生きる建築(69)

世界に誇れる「通過型の駅」まるで街…大阪ステーションシティ

【都市を生きる建築(69)】世界に誇れる「通過型の駅」まるで街…大阪ステーションシティ
【都市を生きる建築(69)】世界に誇れる「通過型の駅」まるで街…大阪ステーションシティ
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 鉄道駅は頭端(とうたん)型と通過型の大きく2タイプに分かれる。日本の頭端型を代表する存在が阪急の梅田駅だ。一列に並んだホームから線路が枝分かれして、旅の始まりと終わりを予感させる。

 JR大阪駅も負けてはいない。初代の駅舎は1874(明治7)年、神戸との間を結ぶ鉄道の開通によって誕生した。その2年前、日本で初めての鉄道が新橋~横浜間を走った際、両端の駅が行き止まりの頭端型としてつくられたのに対して、大阪駅は路線延伸に対応できる通過型とされた。その後、起点駅としての役割を終えた初代の新橋駅は汐留(しおどめ)駅となった後に廃止され、初代の横浜駅も桜木町駅に変わったが、大阪駅はほぼ同じ場所で駅舎だけが代替わりして存続している。

 約140年間、生き続けている大阪駅は、日本を代表する通過型の駅である。こう断言できるのは、歴史の古さだけでない。2011(平成23)年に開業した5代目の駅舎が、通過型の良さを発揮した、他にないつくりだからだ。

 南北のビルは、ホームの上を走る幅広い通路で結ばれている。ビルの3階に接続していて、迷いなく乗り換えたり、南北のどちらにも向かったりすることができる。

 通路の上部の「時空(とき)の広場」は5階に直結している。日の光が注ぎ、設けられているカフェが似合う。見下ろせば、電車の行き来が分かる。見上げればエスカレーターが続いていて、どこに行けば何が売っているのか見当がつく。巨大だが把握しやすいつくりは、物を買う側にとっても、売る側にとっても好都合だろう。