東京都知事選(14日告示、31日投開票)は告示前最後の週末を迎えた9日、立候補予定者らは選挙戦に向けた足場固めを着々とこなした。自民党の小池百合子元防衛相(63)は、舛添要一前知事が韓国人学校の増設用地として有償貸与する方針を決めた都有地を視察し、改めて計画の白紙撤回を主張。10日に出馬表明予定の増田寛也元総務相(64)は都内の町村長有志と面会し、出馬要請を受けた。
韓国人学校をめぐっては、舛添氏が平成26年7月に朴槿恵(パク・クネ)大統領から増設用地取得への協力を求められ、新宿区の都立高跡地を貸与する方針を決めた。
この日、初めて現地を訪れた小池氏は学校施設を敷地外から眺め、知事に当選した場合は「(計画を)白紙に戻す」と訴えた。活用方法については「地域の人々、都民のニーズに応えるべきだ」とした上で「保育所や高齢者の対策で活用できる」と述べた。
また、ネット上で「ださい」と不評だった観光ボランティア「おもてなし東京」のユニホームについても「みんながかっこいいと思えるデザインに変えるべきだ」と述べた。
一方、都議会自民党が擁立を目指す増田氏はこの日、都内のホテルで、東京都町村会(会長・河村文夫奥多摩町長)の有志3人と面会。河村氏は「パフォーマンスをする知事はもういらない」などと述べ、全13町村長が全会一致で支持を決めたことを告げると、増田氏は「重く受け止める」と応じた。
すでに増田氏は特別区長会と市長会の有志と面会しており、会談後の報道陣の取材に対し、この日の町村会との面会は「一つの区切り」と述べた上で、10日投開票の参院選後のなるべく早い時期に意思表明する意向を示した。