共産党の不破哲三前議長が8日、参院選埼玉選挙区(改選数3)で出馬した同党新人、伊藤岳氏(56)の応援のために、学生グループ「SEALDs(シールズ)」の奥田愛基(あき)氏らとともにJR浦和駅西口で演説した。
「難しい国政選挙での共闘が初めて生まれた。戦争法に反対して全国で国民が自分の声で動き出し、その声の中で生まれた選挙の共闘だ」。不破氏は市民と野党のつながりを強調した。
安倍晋三首相が進める経済政策アベノミクスについては「日本の首相の中で、国の政治に自分の名前をつけた人がありますか」。そして「自分の名前をつけてサミットで宣伝する、本当に恥ずかしい首相だと思う」と批判した。
自民党と連立与党を組む公明党についても「面白いポスターを出す」と言及。同党のポスターに「希望が、ゆきわたる国へ」と書いてあることについて「希望が行き渡っていないことを自分で認めている」。さらに「長年自民党と一緒にやって、まだ日本には希望が行き渡らない」と揶揄(やゆ)した上で、「もうそんな野合は辞めたらいいんじゃないでしょうか」と提案した。
一方、不破氏に先立って演説した奥田氏は、「安倍晋三さん、普通の国になりましょうと言いますけど」と前置きし、「奨学金を返せない若者たちが貧困にあえいでいて、希望とか夢とか語れなくなる国が普通の国ですかね」と言い、「そんな普通の国はもう散々です」と述べた。