きょうの人

小川信行さん(69) カクテルの街、宇都宮で切り絵贈るバーテンダー 「若手を別の形で後押し」

【きょうの人】小川信行さん(69) カクテルの街、宇都宮で切り絵贈るバーテンダー 「若手を別の形で後押し」
【きょうの人】小川信行さん(69) カクテルの街、宇都宮で切り絵贈るバーテンダー 「若手を別の形で後押し」
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 「カクテルの街」を掲げる宇都宮市には数十店のバーにその店のバーテンダーの姿をモノトーンで表現した切り絵が飾られている。制作したのは宇都宮を代表する現役バーテンダーだ。

 宇都宮が「カクテルの街」と呼ばれるのは、全国バーテンダー技能競技大会に昭和62年からの4年連続を含めて11年間で6人の優勝者を輩出するなど各種大会で好成績を残したバーテンダーが集まっているからだ。平成11年に宇都宮カクテル倶楽部が設立。カクテルをテーマにしたイベントも盛んなまちとなった。

 自身も昭和63年に日本一の称号を手にした。今も、伝統的なスタイルのオーセンティックバー「夢酒OGAWAパイプのけむり」のオーナーとしてシェーカーを振る。一方で良きライバル、同僚たちのポートレートを切り絵に制作し続けてきた。表情やしぐさ、ボトルが並ぶバックバーが丁寧に表現されているが、「元来、不器用なんです。でも器用な人は他のことにも手を出す。自分はこれしかやってないから」と控えめに話す。

 集中して制作したのは5年前からで、後輩をモデルにした作品も多い。「若い人にも頑張ってほしい。そうでないと、その業界は発展しない。自分は別の形で後押しをしているだけ」。宇都宮では店内に自身の切り絵が飾られて、一人前と認められたと感じる若い店主も多いという。

 切り絵約120点を収録した「カクテルの街宇都宮から バーテンダーの肖像 小川信行の切り絵」(いちご広告社)が出版されたが、制作意欲は衰えることを知らない。

(水野拓昌)