号泣元県議有罪

「金銭欲から犯行」「現在は反省みられぬ」…判決で厳しく指弾

2年前の「号泣会見」で一躍注目を浴びた野々村竜太郎被告。6日の公判で有罪判決を受けた
2年前の「号泣会見」で一躍注目を浴びた野々村竜太郎被告。6日の公判で有罪判決を受けた

 兵庫県議時代に出張費名目などで嘘の収支報告書を提出し、政務活動費(政活費)約913万円をだまし取ったとして、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた元兵庫県議、野々村竜太郎被告(49)に対し、神戸地裁(佐茂剛裁判長)は6日、懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)の有罪判決を言い渡した。

「社会的制裁」認め猶予刑に

 佐茂裁判長は判決言い渡しの中で、犯行動機について「金銭欲から及んだ」と断じ、「県民への高い背信性を帯びている。制度に対する一般の信頼を損ねた刑事責任は重い」と指摘。一方「現在は真摯(しんし)な反省の態度はみられない」としながらも、「(政活費の)返納時は反省をしていた。マスコミに大きく取り上げられたことで、一定の社会的制裁も受けており、社会内で更生の機会の機会を与えることが相当と判断した」と述べた。

 判決では、野々村被告の一連の政活費取得について「出張の事実はなかった」と認定。被告が公判で「記憶がない」と繰り返したことについても「供述は虚偽の疑いが強い」と認定した。

会員限定記事会員サービス詳細