ダッカ人質テロ

被害者名非公表 国民が危機感を共有すべき事態に全てを政府に任せろというのか? 社会部長・三笠博志

 同法では、報道機関への情報提供や「生命、身体または財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」などは規制されていないのに、過剰な萎縮が蔓延(まんえん)している。昨年9月の東日本豪雨では、茨城県常総市が行方不明者について「15人」という「数字」しか発表せず、全員の無事を確認するのに数日かかるという混乱を招いた。

 今回のテロについて、安倍晋三首相や菅義偉(すがよしひで)官房長官は「痛恨の極み」と口をそろえ、テロ根絶に向けた努力の必要性を訴えた。同感だ。そのために相応の公費や制度も必要だろう。もちろん国として犠牲者家族への配慮も十分に行われなければならない。その前提となるのは、誰もが納得できる「事実」が示されることだ。