注目は価格だ。店頭想定価格は270円~292円と、現在の1000ミリリットル入りパックと同じ。容量が1割減なので、実質的には1割の値上げともとれなくもない。ただ、同社広報は「値上げという認識はありません」と否定する。
その根拠とするのは、農林水産省や独立行政法人、農畜産業振興機構などの統計データだ。農畜産業振興機構の調査によると、1人あたりの牛乳類の1日の飲用量は平成17年度の平均が195.8ミリリットルだったが、27年度は175.1ミリリットルに減少。このように牛乳消費量が減ったため、1000ミリリットルの牛乳を飲みきる日数も伸びていると主張。「飲みきれず捨ててしまう人も増えており、900ミリリットルのほうがいいと判断した」と説明する。
新しい容器は従来品よりも幅が約5ミリ細く、筋肉の負担が約1割軽減されるので、「手の小さい子どもや握力の弱い高齢者の方も持ちやすい」とも強調する。
ただ、紙パックを使用する他の飲料メーカーの幹部は、「消費者にすれば、900ミリリットルの容量設定や高齢者も持ちやすいとかは、唐突感があるのではないか」と指摘する。