経済インサイド

世の中を騒がせた「小が大を飲む」買収 日本板硝子の英ピルキントン買収は成功したのか?

 ただ、明るい材料もある。 

 売上高の4割弱を占める欧州では、建築用ガラスの市況改善が見込まれるほか、北米や東南アジアの需要も堅調だ。建築用は、日本でも東京五輪に伴う需要拡大が期待される。今期は不採算事業からの撤退による効果や、買収で発生した「無形資産償却」が80億円から30億円に減ることもあり、120億円の営業増益を見込む。SMBC日興証券の岡芹弘幸シニアアナリストは、「(攻めに転じるまで)もう一息のところに来ている」と話す。

 その「もう一息」のため、同社は現行中期経営計画が終わる18年3月期から遠くない時期に、VAの売上比率を5割まで引き上げたい考え。森重樹社長は「(ピルキントンを)買収してよかった。しなかったら日本・アジアの小さい会社のままだった」と語る。現時点で決して成功を収めたとは言い難い巨額買収だが、狙い通りにVAの成長を実現できれば、ピルキントンの負の呪縛からは解き放たれそうだ。(井田通人)

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