経済インサイド

世の中を騒がせた「小が大を飲む」買収 日本板硝子の英ピルキントン買収は成功したのか?

 だが、グローバル化と引き換えに失ったものも多かった。買収による財務負担に加えて、08年のリーマン・ショック、10年の欧州債務危機で本業の収益が悪化。2度のリストラなどで、買収当時に約3万6000人いた社員は現在までに約9000人減り、基幹製造設備のフロート窯も30から26に減らした。

 この間、経営体制も定まらなかった。グローバル経営を担える人材が不足していたため、08年にピルキントンの最高経営責任者(CEO)だったスチュアート・チェンバース氏を社長に迎え入れたものの、家庭の事情から1年2カ月で退任。藤本勝司会長(当時)の暫定的な兼務を経て10年に就任したクレイグ・ネイラー氏も、他の経営陣と方針が対立し、やはり2年ともたずに会社を離れている。

 最近は、中国メーカーの価格攻勢や新興国の景気減速にも悩まされ、16年3月期は中国の太陽光発電用ガラス生産から撤退するなどした結果、過去最大となる498億円の最終赤字に終わっている。

会員限定記事会員サービス詳細