経済インサイド

世の中を騒がせた「小が大を飲む」買収 日本板硝子の英ピルキントン買収は成功したのか?

英国にある日本板硝子のガラス工場
英国にある日本板硝子のガラス工場

 板ガラス世界大手の英ピルキントンを、日本板硝子が約6000億円を投じて買収してから今月で10年が経過した。売上高で2倍近い世界3位のピルキントンを6位メーカーが傘下に収めるという「小が大を飲む」大型買収はその後、巨額の財務負担や経営の国際融合との苦闘を強いられ、日本企業のグローバル戦略に教訓を与えた。不安定な経済環境にも振り回され、日本板硝子は赤字基調から抜け出せずにいるが、ここにきて経営路線をシェア重視から収益重視へ転換し、遅まきながら業績改善の兆しもみえつつある。

 米カリフォルニア州クパチーノ市の広大な土地に、ドーナツ型の特徴的な建物が姿を現しつつある。年内にも完成が予定される米アップルの新本社だ。

 宇宙船とも呼ばれるだけあって、随所に斬新なデザインを取り入れているが、その一つに日本板硝子の窓ガラス「オプティホワイト」がある。

 美術館のショーケースに多く採用されていたもので、鉄の含有量が少ないためガラス特有の青みがなく、通常の窓ガラスより透明なのが特徴だ。外の光を通しやすいほか、デザイン性にも優れ、13年に完成した東京駅八重洲口の大屋根「グランルーフ」にも採用されている。