京大病院火災

研究員「ヒーター電源切り忘れたまま部屋を離れた」 放射性物質の外部拡散なし

 京都大病院(京都市左京区)で1日夕に発生した火災で、出火元の実験室で直前に実験を行っていた研究員が「水を加熱するヒーターの電源を切り忘れ、机に置いたままにしていた」と説明していることが2日、分かった。病院側が同日行った記者会見で明らかにした。稲垣暢也病院長は「出火原因である可能性が高いと思うが、さらに詳しく調査する」としている。

 病院側の説明によると、火元となったのは、放射性物質を扱う「RI低レベル実験室」で、直前まで40代の男性研究員が1人で薬品開発研究に関する実験を行っていた。研究員は、実験で使う水を温めるためのヒーターを使用後、「電源を切り忘れたまま木製の机に置き、部屋を離れた」と説明しているという。

 火災は1日午後6時15分ごろ、病院敷地内の旧産婦人科病舎で発生。1階の1室約30平方メートルが全焼、3人が煙を吸うなどして気分不良を訴えたが、けが人はなかった。室内には、液体に溶かした状態の放射性物質がガラス容器に入れて保管されていたが、外部への拡散はなかった。

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