米フロリダ州オーランドで米国史上最多の49人が死亡した銃乱射事件は、同性婚が昨年1月に合法化された同州の性的少数者(LGBT)が集まるナイトクラブで発生。事件を契機に、改めてLGBTの権利向上に関する議論が活発になってきた。「差別主義者」の印象が強かった、米大統領選で共和党の候補指名が確定した不動産王、ドナルド・トランプ氏が態度を軟化させるなど、事件が今後の解放運動の「『分岐点』になる」(英紙フィナンシャル・タイムズ電子版、17日)との見方がある。
米紙ニューヨーク・タイムズ電子版(19日)は、事件が「はからずも、米共和党支持者とゲイ(LGBT)・コミュニティーの間にあった亀裂の橋渡しを手助けする影響力があった」とみる。
具体的にはトランプ氏が事件後、LGBTに向けて「私はあなたたちのために戦う」などと、これまで示していなかった支援を表明したことだ。さらに米紙ワシントン・ポスト電子版(17日)は、トランプ氏が選挙戦で「ゲイの人々を殺してきた狂信的なイスラム教から、ゲイやレズビアンを含む全ての米国人を守る米国に住みたい」と発言したことを紹介した。