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京都市が発行する広報紙「きょうと市民しんぶん」が大がかりな紙面改革に挑戦し、その斬新さが話題になっている。自治体の広報紙といえば、お堅い内容という印象も強いが、さにあらず。ごみをイケメン妖精に擬人化してごみ問題に切り込んだり、人気漫画「あしたのジョー」をイメージさせるイラストを駆使して「空き家の事情」を説明したりするなど、「行政らしくない」編集を試みているのだ。自治体の広報紙を対象としたコンクールでも入選しており、評価の声が高まる一方、市民からは「よく分からない」という苦情が寄せられることもある。賛否渦巻く「きょうと市民しんぶん」の編集の現場をのぞいた。(北崎諒子)
ごみをイケメン妖精に擬人化
「おしかりの声があった」。6月中旬に開かれた編集企画会議。葉山和則広報係長(39)が6月1日号の特集「ごみの妖精」について、こう報告した。
6月1日号では環境月間をテーマに取り上げた。「京都エコカレ」と称して、イケメンの生ごみ・プラスチックごみ・紙ごみの妖精3人が「誰とエコする?」と読者にアピールする内容だった。
「ごみがイケメン」という切り口に、特に年配の人たちから「分かりにくい」といった違和感や反発の声が寄せられたようだ。
さまざまなものを擬人化したゲームが若者を中心に人気を集めていることもあり、ごみをイケメン妖精としてキャラクター化して読者に訴えようというユニークな試みだった。
ただ、全世代を通して誰でも分かる、という内容ではなかったのかもしれない。