参院選 夏の陣 候補者走る 茨城

(2)民進現職・郡司彰氏

 ■50万票以上「不可能ではない」 

 「安倍さん、暴走し過ぎ。この頃少なくなった暴走族のような感じがします。安倍さんは今度の選挙に勝てば憲法改正。これを許すわけにはいかない! 平和が壊される」

 強い日差しが照りつける鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の大洗駅前。民進党現職の郡司彰氏(66)は真っ黒に日焼けした顔でマイクを握りしめ、安倍晋三首相を批判した。演説が終わると、聴衆に駆け寄って手を握り、近くを通りかかった人にも大きく手を振ってみせた。

 改選数2の茨城選挙区で、自民党現職の岡田広氏(69)とともに優勢が伝えられるが、陣営に緩みが生じるのを警戒してか、かつて自ら獲得したことのない50万票以上を目標に据えている。

 平成25年7月の前回参院選で当選した旧民主の藤田幸久氏は約20万票だった。当時は旧民主が与党から転落後、半年余りしかたっておらず、強烈な逆風は収まっていなかった。

 これに対し、旧民主から郡司氏と別の候補者の計2人が出馬した22年はそれぞれ約30万票、約20万票を獲得し、計50万票。当時、与党だったことが大きいが、民進党県連幹部は「決して不可能な数字ではない、50万票を取って、安倍政権にノーを突き付ける」と意気込む。

 高めのハードルを設けたのは、比例代表への影響を勘案してのこととみられる。民進が誕生したのは3月27日。陣営幹部は「新しい党名は有権者に浸透していない」と顔を曇らせる。

 「この度、生まれ変わりました民進党より4期目の挑戦、郡司彰です」

 街頭でこう訴える郡司氏。自身の名前と党名をセットで覚えてもらい、選挙区での票の上積みを、比例代表で確実に反映させたいという思いがにじむ。

 目標の50万票を獲得するには民進党最大の支持団体、連合茨城の全面的な支援は欠かせない。

 茨城選挙区の場合、2議席を自民と旧民主が分け合ってきた経緯があるため、民進は共産党の支援を必要としておらず、野党共闘をしていない。このことが意味することとは何か。

 「基本的に連合は反自民、反共産です。連合茨城は今まで通り、郡司氏を支援しますよ」

 連合茨城幹部はそう語る。民進が共産と共闘しなかったことで、郡司氏はこれまでと同様に連合の全面的な支援を得ることができたのだ。各種団体の一部が味方していることも郡司氏陣営を強気にさせている。

 ただ、組織票、団体票だけで50万票に到達するのは至難の業。やはり、鍵を握るのは浮動票だろう。

 茨城県の投票率は平成25年の前回参院選で49・66%と全国で41位。22年の前々回は55・11%で40位だった。陣営では投票率を上げることで、少しでも多くの浮動票を獲得することを期待している。

 街頭演説する郡司氏の周辺に掲げられた「投票に行こう」と書かれた大きなプラカードは、陣営の思いを象徴している。

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