ビジネスの裏側

「業務スーパー」インサイダー取引疑惑どこ吹く風、異端すぎる経営で絶好調

独自の陳列・管理

 その陳列スタイルや商品管理の方法は極めて独特なものだ。

 店内に入ると、山積された段ボールが目をひく。段ボールのまま商品を陳列しているのだ。什器も冷蔵・冷凍ショーケースと壁際のスチールラック以外は基本的に商品棚は置かない。品ぞろえも生鮮食品は最小限にとどめ、日持ちのする冷凍食品や常温商品を多くそろえている。

 こうした管理方法によって在庫はそのまま売り場の商品置き場として使われるため、倉庫いらず。そして商品が売れれば箱を空けるだけで済ませられるため、商品補充のための手間と人件費は不要だ。

 また、スーパーの定番である客寄せ目的のセール特価品はなく、いつでも同じ値段で提供している。だから折り込みチラシを配る必要もなければ、値札を張り替える手間も省ける。

PBで激安巨大商品

 商品ラインアップも他スーパーには見受けられない特徴がある。同社は農場や漁船を所有し、国内外に22社25のグループ工場を持ち、自社生産によるプライベートブランド(PB)を充実させている。北海道で野菜の生産や牛の飼育を手掛けるなど、自社で生産から加工、流通まで手がけている。

 通常、PB商品はスーパー側が、大手食品メーカー(ナショナルブランド、NB)に製造を委託してスーパーのブランドで商品を販売する。これに対し、業務スーパーは自社で製造、流通、販売まで一気通貫で手がける。低コストで生産し、低価格でも利幅を確保して販売できるという仕組みになっているのだ。

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