三重「正論」懇話会

石平氏「赤裸々な華夷秩序路線に戻った」

三重「正論」懇話会で講演する拓殖大客員教授の石平氏=津市
三重「正論」懇話会で講演する拓殖大客員教授の石平氏=津市

 三重「正論」懇話会の第5回講演会が1日、津市大門の津都ホテルで開かれ、評論家で拓殖大客員教授の石平氏が「中華帝国史から解き明かす習(近平)政権の野望」をテーマに講演した。

 石平氏は、中国の秦の始皇帝以来の王朝史を解説。「中華帝国には領土という概念がなく、東アジアはいつでも領土にできるという華夷秩序の考えがある。その外で独立を保ってきた唯一の国が聖徳太子の時代以降の日本」と指摘した。

 現代中国は、他国の支援を受けて経済力を蓄えるため伝統的な膨張志向を隠してきたが、軍事・経済大国になって隠す必要がなくなったと指摘。南シナ海での人工島の造成やアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立について「華夷秩序路線に戻ったことの表れ。日本人がそのことに危機感を持たないことこそ本当の危機だ」と強調した。

会員限定記事会員サービス詳細