衝撃事件の核心

「死んじゃうよ」「ごめんね」娘は両親の服をつかみ冷たい川の深みに進んだ 利根川心中で娘が明かした悲痛な決意

3人の穏やかな生活

波方被告は姉2人が家を出た後、父母と3人で暮らしていた。

高校中退後にいくつかの仕事をしたが、「仕事中に人の目が気になった」と退職した。事件当時は無職。退職後は両親のもとで暮らしたが、母は平成15年ごろから認知症とパーキンソン病を患うようになった。波方被告は母の介護を献身的に行っていたという。母の介護について波方被告は「母のことは大好きだったし、大変だとは思わなかった」と振り返っている。

父は波方被告が幼いころに一度蒸発したが、約20年前から再び3人で暮らすようになった。それからは、真面目に新聞配達の仕事をこなし、月収は約18万円と決して多くはなかったが、時にはドライブに行ったりと3人での生活を楽しんでいたという。

しかし昨年秋ごろ、父親が手足のしびれの症状を訴え始めてから、3人の穏やかな生活は急速に脅かされていく。

しびれは頸椎が圧迫されたことが原因で、11月にはバイクに乗れなくなり新聞配達の仕事を退職した。その後、症状はみるみる悪化し、ついには1人で歩くこともできなくなり、同月末に手術を受けることが決まった。

「かわいそうだなと思ったし、父本人も『惨めだ』と感じていると思っていた」

波方被告は今後の生活を考え、11月17日に深谷市役所に生活保護の受給について相談に足を運んだ。父が心中を口にしたのは、その翌日だった。

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