参院選 夏の陣 候補者走る 茨城

(1)自民現職・岡田広氏 目指すは60万票

 ■「1番で当選」

 よく晴れたとある日の朝、JR日立駅中央口には150人ほどの支持者が集まっていた。掲げられた4本の傘に貼り付けられていたのは「LOVE」「お」「か」「だ」の文字。自民党現職の岡田広氏(69)の街宣車がやってくると歓声が上がり、拍手が湧き起こった。

 「岡田先生は次で4期目。国政で自信を持って活動してほしい」「安心して政治を任せられるのは岡田先生のほかにいない」…。

 岡田氏の街頭演説には、国会議員や県議、首長らが応援に駆け付け、最後は「ガンバロー三唱」。県連の総力を結集した姿が、そこにはある。

 遡(さかのぼ)ること12年前の平成16年の参院選。公明党から推薦を受けて約58万票を獲得し、トップ当選した。しかし、推薦を受けなかった22年は50万票を割った。当時は旧民主党に政権を奪われ、自公両党は自党を立て直すのが最優先だった。さらに岡田氏は県連会長として率先して自民党の勝利に尽力しなければならず、表だった協力は見送られた。

 今回の得票目標は60万票。与党に返り咲いた後の25年の前回参院選で自民党現職の上月良祐氏が獲得した約56万票を上回る数字だ。公明党の推薦も得た。

 「どれだけあの憎い民進党に差をつけて大勝するかにかかっているんです!」

 自民党の丹羽雄哉元厚相(衆院茨城6区)は22日の公示日に行われた出陣式で高らかに言い放った。岡田氏も「茨城選挙区から1番で当選させていただきたい」と応じた。

 ただ、自民党が見据えているのは選挙区での快勝だけではない。

 「比例代表が危うい。野党4党が寄り添って、自民党政権を倒そうとしている。自民党の比例候補者の全員当選を目指したい!」

 ある日の街頭演説で、田山東湖県連幹事長は聴衆にそう語りかけた。自民党は比例代表で25人の公認候補者を擁立している。比例代表への貢献度が県連の評価に直結するのは言うまでもない。

 しかも、今回の参院選は、梶山弘志県連会長が「全国の参院選を仕切る事実上の責任者」(岡田氏)である党本部の選挙対策委員会事務局長を務めている。さらに県連は今年、結成60年の節目の年。田山幹事長の言葉には、組織を引き締める狙いとともに、県連の存在感を示したいという思いがにじむ。

 ただ、「比例は自民に」とばかりも言っていられない。岡田氏の盤石の選挙戦を支えているのが、公明党との選挙協力だからだ。いずれやってくる衆院選でも公明党の協力は欠かせない。

 岡田氏は街頭演説で「比例代表の投票用紙は、自民党公認候補と(公明党公認候補の)長沢広明さんで、ご家庭で票をお分けいただきたい」と、絶妙な口上を披露していた。

                   ◇

 参院選が公示されてから29日で1週間が経過した。茨城選挙区(改選数2)でしのぎを削る各候補者を追うとともに、候補者を支える各党、各陣営の動向を探る。

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