米大統領選

トランプ氏「TPPから脱退する」

 【ワシントン=小雲規生】11月の大統領選に向けて共和党での候補者指名を確実にしている不動産王のドナルド・トランプ氏は28日、ペンシルベニア州で大統領に就任した場合の政策として、「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から脱退する」と述べた。トランプ氏はこれまで2月に日米など12カ国が署名したTPPの再交渉を求めていたが、脱退まで踏み込んだかたちだ。またトランプ氏は北米自由貿易協定(NAFTA)脱退や中国製品への対抗関税も視野に入れていることも明らかにした。

 トランプ氏は「TPPは米国の製造業にとって死の一撃になる」として、関税引き下げがTPP参加国からの輸入増を招き、米国の製造業を衰退させると主張。米国の雇用を回復させるための最初のステップとしてTPP脱退を挙げた。

 TPPをめぐっては民主党での候補者指名を確実にしているヒラリー・クリントン前国務長官も反対を表明している。しかしトランプ氏は国務長官時代にTPPの旗振り役を務めていたクリントン氏はTPP支持に転じるとの見方を示し、「ヒラリーに対して、就任初日にTPPから脱退し、いかなる形での批准も無条件で拒否するつもりかどうかを尋ねてみるがいい」と疑問を投げかけた。

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