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視力を矯正するレーシック手術が激減していた! ピーク時の9分の1 その真相を探ってみると… 

 根岸准教授は「20年は手術件数が多いが、実は同年9月のリーマンショック以降に大幅に減っていた。レーシック手術は保険適応でなく、ある程度のお金がかかるだけに、減ったのは景気の影響ではないか」と指摘する。医療機関にもよるが、手術費用は片目で十数万~30万円。確かに経済的な事情で手術をあきらめた人もいるかもしれない。

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 レーシックをめぐっては20年7月から21年1月の間に、東京都中央区にある眼科で手術を受けた患者の多数に角膜感染被害が発生。同年2月に同区の保健所が手術を受けた639人中、67人が角膜感染症などとなり、うち2人が入院したと発表した。「レーシック集団感染事件」として知られ、同眼科の元院長が業務上過失傷害罪で禁固2年の判決が確定している。

 同眼科の角膜感染の発症は、基本的な衛生管理を怠ったまま手術をしたことによるもので、レーシック手術自体の問題ではない。しかし、この事件が報じられたことで、「レーシック手術は危ない」と思った人も少なくないだろう。これが、手術離れにつながった可能性もある。

 一方、日本眼科医会の高野繁会長は「メガネブームや、コンタクトレンズの性能が格段に良くなったこともレーシック手術減少の一因では」と推測する。

 かつてはメガネをかけると女性は「三分下がる(魅力が下がる)」と言われたものだが、今や「メガネ女子」「メガネっ娘(こ)」と呼ばれるように、メガネはおしゃれの必須アイテム。1万円以下の低価格メガネも普及し、多彩な色やデザインによるフレームのメガネでおしゃれを楽しむ女性は多い。男性も同様だ。

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