明治時代に豪州移住…村上安吉の生涯たどる企画展 和歌山

 明治時代にオーストラリアに渡った現在の串本町出身出身の写真家、村上安吉(1880~1944年)の人生を通し、日本とオーストラリアの交流や移民の歴史に触れる企画展「和歌山移民 村上安吉のライフストーリー」が和歌山大学(和歌山市栄谷)の紀州経済史文化史研究所で開かれている。7月29日まで。

 成安造形大学(大津市)の津田睦美教授が企画し、同研究所などと共催した。

 村上は16歳でオーストラリアに移住。天然真珠のボタン製造業などで栄えたオーストラリアで、潜水服の開発などを手がけ、日本人会のリーダーを務めた。一方、真珠の養殖産業を始めたが、現地の業者と対立。人種差別のなか、施設が現地警察に壊されるなどした。その後、商業写真館を開くが、太平洋戦争開戦後、家族とともに強制収容所に捕虜として収容された。

 企画展は、村上の娘、ヤス子さんが所蔵する写真から約100点を展示。大正14年に村上が和歌山県に里帰りした際に撮った記念写真や、オーストラリアの先住民、アボリジニと交流する写真などが展示されている。日本では村上についての記録や研究が進んでおらず、同研究所の東悦子所長は「日豪関係の近代史を知る手がかりとなる」と話す。

 和歌山大1年の岩谷優花さん(18)は「海外で活躍した先人のおかげで現在のように日本と世界がつながれたのだと思う」と話していた。

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